北海道その９（根室・花咲・厚岸）

旦那と私は、財布の中を確認した。よし、ということで、根室の街なかで、にぎり寿司を食べようということになった。 　食事を軽く済ませてから来店し、「ご飯少な目、一貫(二個）を二人で分ける」と言って「地の物」を注文した。 　始めはそんなに食べられないと思っていたのだが、何が出ても美味しく、ポコポコ食べてしまう。 　私は、ホタテ、ホッキなどの貝類が特に美味しくて気に入った。白身、赤身、巻物なども、どんどん食べた。 　「これで地の物は一通り」と言われ、そんなに食べたかと呆然としていたところに、「あ、新物がありました」と出されたサンマのにぎりの美味いこと。 　夏の根室は脂のノッたサンマが来るのだそうで、魚の本来の旨みがすごいのである。これはわざわざ食べに来る価値のある、ひと品である。 　二度目に根室に旅行した折は、真っ先にサンマを食べに来店した。一昨日、新装開店したのだという。危なかった。 　納沙布岬は日本最東端の岬で、道内最古の灯台や、展望フロアから四島を望める北方領土館などがある。 　駐車場から灯台にかけての道には、何件か土産物屋があり、無料でカニ鉄砲汁を出してくれるところもある。 　ついでに買い物をということなのだろうが、思い切りがいい。カニだけでなく、昆布も各種揃っているし、勿論、地方発送もOKである。 　花咲には面白い形の玄武岩、車石がある。溶岩がどう流れるとこんな丸い形になるのか不思議である。 　花咲港では、あがったばかりのカニを茹で、アツアツで食べられる。その時は豊漁だったのか、二人で十分に食べられるカニが２千円であった。味は最高、大満足である。 　厚岸では、牡蠣である。 　道の駅コンキリエでは、自分の好きなものを選んで、その場で焼いて食べられるコーナーが設けられている。 　土地の人はここでお昼ご飯のかたもいるようで、傍らに牡蠣などを山のように置いてむしむし食べている。 　昼間から、牡蠣にビールなんて最高である。運転手は飲めないのが残念だ。 　周辺には牡蠣を食べさせる店がたくさんあり、酢の物、揚げ物、丼物などを楽しむこともできる。よいところである。 　　 　今回は食べる話だけになってしまった感じだが、つい力が入ってしまう。旅先で食べる美味しいものは、やはり旅には欠かせないからある。