北海道その７（養老牛・裏摩周）

養老牛温泉は中標津空港から30分ほどの山の中にある。 　ほんの少し開けた、町というか何軒かの家があるようなところに、温泉宿が数件ある。コンビ二などはない。 　渓流に面したロビーから、シマフクロウが見られることがあるという宿は、気さくながら落ち着いた雰囲気の宿であった。 　夜になり、部屋のベランダから渓流沿いの山を眺めていた時、何か大きなものがファサッと木にとまったように見えた。だが、それが何だったかはわからなかった。 　宿の方の話では朝までシマフクロウは現れなかったらしい。 　シマフクロウに遇うことはできなかったが、初めてヤマセミの飛ぶ姿を見ることができたのは嬉しかった。 　摩周湖には展望台がいくつかあり、個人的には裏摩周展望台が好きである。 　五回ほど行って、スカッと晴れたのが二回、雨でも見えたのが一回、霧でほとんど何も見えないのが二回と、本当の「霧の摩周湖」という美しい風景には出会えていないのである。 　湖面に霧がありながら、摩周岳、浮かぶカムイッシュ島、を見てみたくて何度も通ってしまうのである。 　お楽しみはまた次回かな‥。 　裏摩周が霧でも、降りてくれば晴れていて、遠くの山に点々と牛が放牧されているのを見ることもできる。雄大な眺めはドライブには最高である。 　摩周湖の近くに、最近はガイドブックにも載っている「神の子池」という、沸く池がある。 　深いからなのか、成分のせいなのかはわからないが、この池の青の素晴らしいこと。 　透明度の高さは、摩周湖のそれを思い出させる。 　ここから裏摩周へ道があるらしいが、ここは羆の領域。やめておくのが賢明であろう。 　この地域は線路沿いでさえ「クマ出没」、気軽に山に入るのは危険である。人間もクマも不幸になってしまう事態は避けたい。 　いつまでも羆がいるところを大切にしたいからである。