北海道その39(滝上)

滝上は春、芝桜が美しい公園がある。最近は藻琴のあたりでも芝桜の公園ができているようだが、やはり昔からあるところへ行かねばということになった。 　 　芝桜公園への道はわかるが、何故か裏側にまわってしまった。すると、ちょうど公園行きの無料バスの発着所に行き当たり、現地の駐車場は満車で入れないらしいので、ここに車を停めてバスに乗ることにする。バスはすぐに出るらしい。 　 　乗ると、山の斜面をものすごい傾斜で登ってゆく。よれながら走るバスの車窓に見たこともないようなピンク色のものが広がっている。既に行く途中の道が芝桜である。ここでも十分きれいである。 　 　バスを降りて更に驚いた。自然界にこんな色が存在するのかと思う。一面、ピンクのグラデーションである。白から濃いピンクまで、ところどころ色を変えながら植えてある。ものすごい数の花々である。 　香りも良い。さっそく｢芝桜ソフトクリーム」を見つけて買う。ほのかに味がして美味である。旦那と分けて食べ、満足して山へ上がることにする。 　 　山は思ったよりずっと傾斜があり、リハビリには効きそうである。が、だいぶ足首に負担がかかり、苦しい。それでも遠くに雪を頂いた山が見え、足元から頭の方へ芝桜のピンク色があまりにも良い景色で、頑張って歩こうという気持ちにさせてくれる。 　エゾゼミが唸って鳴いている。胴体の太い、羽の透き通った不思議な丸っこいセミである。見つけてビデオに納めようとしたら鳴き止んでしまう。 　むせ返るほどの香り。斜めになった足元に気をつけながら顔を起こして見ればため息が出るほどだ。 一面がこれである。