北海道その36(札幌への道)

札幌の大通り公園の近くに宿を取り、生まれて初めて｢札幌雪祭り｣を見た。 　正確には前日に出来たてを見ることにしたのである。 　羽田空港へ行ったら、飛行機の搭乗手続きが出来ない状態である。二本前は欠航で一つ前のはまだ飛んでいない。 　嫌な予感はしていた。遅れに遅れている。仕方がないので弁当を買い、トイレに通う。飛行機に乗るのは緊張で落ち着かない。 　 　直ぐに着くと思っていたので身支度は北海道仕様。人が多い上に暑くてメマイがしてきて、ジャージの下のタイツをトイレで脱ごうかと思っていた矢先、乗るはずの便が欠航と決まった。 　さあ、案内が悪い。欠航証明を貰う為に窓口には長蛇の列。それが全然動かない。大変不案内で困った。 　旅行会社に自力で連絡を取り、他はどうかと聞いても札幌行きは、ほぼ満席、それも飛ぶかどうかわからない。飛んだとしてキャンセル待ちではどうなるかもわからず、欠航証明はなくても後日の払い戻しが可能と確認してJRで行くことを考えた。 　旦那が空港にJRの窓口があることを知っており、窓口へ急ぐ。北海道までの列車で今日中にどうにか着けるものがあるというのだ。窓口へ行って、切符が取れますようにと祈る。 　 　乗車券が一度に取れておらず、金額が高いと言って変えてもらう旦那。窓口のおネエサンに教えている。持つべき者は｢鉄｣旦那である。ありがたいことに全てが取れ、東京駅へ向かう。 　東京発の｢はやて｣八戸で｢白鳥｣函館で｢スーパー北斗｣に乗り継いで、普通に行けば10時間ほどは列車に乗るのだ。 　東京駅で暑くて死にそうになり、汗でぐっしょりのタイツを脱ぎ、少し生気が戻ってきた。 　 　乗ってしまえばどうにか着くはずである。が、何と道のりは長いことか。いくらリハビリを兼ねているとはいえあんまりである。冷静になって後悔するがもう走り出してしまった。 　 　乗り継いで行く途中で、前の列車で見た顔がいくつもある。同じ行程をたどっている人がいるのだ。皆、頑張っているらしい。　 　到着はだいぶ遅れて午前1時である。札幌は雪。駅でタクシーを待つときの寒さはヒトシオである。脱いだタイツをはきたい。 　ヒモジイ、眠い、寒い、の三重苦の上に、考える力もない。トンでもないリハビリ旅である。