北海道その３（紋別）

宿泊したホテルのロビーに大きな水槽があり、一面にタラバガニがいた。 　今まで生きたタラバガニは、水族館でしかお目にかかったことがなかったので、ちょっと触ってみようかと手を出してみた。 　ゆっくりであるが私の指を目指してハサミを繰り出してくる。何となく全体がこちらに近寄ってきて不気味である。でもやはり美味しそうに見える。 　そして、夕食は街へ出てカニを食べよう、ということになったのである。 　特になんと言うことのない感じの店に、旦那と二人で入った。ところが、料理は、ごく普通に頼んだつもりが、量がとてつもなく多い。 　食べきれない程のカニ、持って帰ることができたら‥と思うが、それもかなわず、泣く泣く残して席を立った。 　紋別は海が近く、流氷科学センター、オホーツクタワー、流氷砕氷船ガリンコ号などを見学する。 　流氷科学センターでは流氷にさわり、マイナス20℃を体験する。冬にはよくある気温と聞いてちょっと驚く。 　ガリンコ号は流氷がある時に乗りたいものである。アンケートに答えたところ、後にテレホンカードが送られてきた。 　冬に来い、と言われているような気がする。悩むところである。 　サロマ湖では道の駅で焼きホタテを食べ、食感の違いに驚くほどの美味しさである。 　竜宮台という砂洲の先端に行ってみると左にオホーツク海、右にサロマ湖という風景に感動するばかりである。 　 　一足伸ばし、上川の氷のトンネルに行くことを楽しみにしていたのだが、たどり着くまでの道がイイこと‥車は大丈夫かと思いながら川底を走らなければならない。 　他にも車がいたので道はあっているらしいが、走りにくいのである。 　氷のトンネルは、ただそこに大きな口をあけており、事故があっても本人の責任である。 　崩落して見学できなくなっていると、最近になって聞いた。 　自分が中に入っていたときに落ちなくて良かったと思い、もしそうなっていたら発見されるのだろうかと、今になって馬鹿な心配をしたのであった。