東京都その7(木場〜新宿)

なぜ都内をウロウロするコースかと言うと、「はとバス」ツアーである。 　 　秋の夕方の出発。木場で何をするかというと、ヘリコプターに乗るのである。 　このとき初めてヘリコプターに乗った。音と風のすごさに圧倒されながら、数人で乗り込んだ。 　飛び上がれば足元が何とも頼りなく、怖くて真下を見る余裕が無い。遠くのビルを見て気持ちを落ち着かせ、ようやくキョロキョロできるようになった。 　街の灯りが宝石のように散らばって、それは綺麗である。 　十数分の旅と思うが気分も変わる。ここに何万人もの生活があるのだと、あらためて思う。　 　はとバスは座席が高く、街を行くのは快適である。 　六本木だか銀座だかで、お茶。マキシム・ド・パリである。 　美味しい紅茶とケーキをいただく。コーヒーと軽食の人もいる。 　すぐ横でヴァイオリンの生演奏をしてくれる。リクエストもＯＫである。 　しばし山の手の気分に浸り、またバスへ乗り込む。 　ラストは新宿のエル・フラメンコで、食事とショーである。 　席に座るなりワインを聞かれたので、シャブリのお手ごろ価格のものをお願いする。 　料理は地中海料理だったか。パスタもよいし、魚介類も美味しかったと思う。 　 　ショーが始まれば食べるところではなく、その情熱的な踊りに見入ってしまう。 　 　踏み鳴らす足と激しいギター、飛び散る汗が見えるほどである。最後は大盛り上がりで、拍手喝采。店を出てもしばらくはボーっとしていた。 　 　今から15年くらい前のことになるので、今もこのコースがあるかどうかはわからない。 　約半日であったが、こんな小旅行も楽しいものである。