神奈川県その3(湯河原)

箱根から大観山を越えて湯河原へ抜けると静かな温泉街である。 　だいぶ前だが、真夏にバスで大観山に行く際、霧が出たことがあり、窓から入った霧で車内が見えなくなるほどの体験をしたことがある。 　大観山には、駐車場が広くあり、晴れた日には芦ノ湖の美しい姿を眺め、富士山までスカッと楽しむことができる。 　奥湯河原から藤木川沿いに下ると、昔は温泉街ならではのスマートボールや射的場があったが、現在はほとんどそのような店は無くなってしまって残念である。 　幼い頃は夏休みによく遊びに行った。夕方になると山に迷子になった放送が流されて怖いなと思ったものである。 　不動滝は有名な割りに小さい滝だが、こじんまりと良い風情で、初夏には蛍が舞う。 　湯河原には近年｢万葉の湯｣という立ち寄り温泉施設や、遊歩道と足湯ができて、ちょっと行くには気軽な感じである。 　宿の中には昼間のみの立ち寄り温泉や、昼食つきプランをうたっている所もあるし、眺望や泉質も異なるので、趣味に応じて選ぶと楽しいかもしれない。 　つい最近は｢西村京太郎記念館｣ができ、行ってみた。ギャラリーは狭く、見るところがたくさんあるわけではないが、鉄道ミステリー作家らしいジオラマの中に、殺人事件が表されており、｢いくつ発見できますか｣などと面白い。よく見ないと全てを発見するのは結構大変である。 　喫茶店でゆっくりお茶を楽しむこともできる。駐車場が狭いのでやや不便である。時々作者が来るらしく、ファンは楽しみであろう。 　湯河原は海岸に出ればサーファーで賑わう。夏は海水浴客も多い。 　 　ここから真鶴辺りまでの道は、休日は渋滞のメッカであり、マイカー族には頭の痛いところである。