福井県その4(東尋坊)

サスペンス劇場でお馴染みの東尋坊である。 　柱状節理の美しい岩が立ち並ぶ絶景の海岸を歩いてみようと思う。 　駐車場から下りていく形で海岸へ出ると、そこは絶壁である。 　真っ直ぐに柱状の五角形、六角形の岩が縦になって連なっている。 　特に手すりなどが無い岩場に上がって覗き込むと恐ろしく高く、遥かに下方で波が砕けている。吸い込まれそうである。 　随分と先のほうまで歩いて行っている人がいるが、とてもではないが足がすくむ。 　自殺の名所というが、海までたどり着く前に岩に激突するのがほとんどらしい。 　夜に来たくも無いが、夜は怖そうである。 　真夏の昼の日差しは明るくてそんなイメージは全然無い。大海原が広がり、爽やかな風が吹く。 　宿は三国温泉。 　予約したはずが、その時電話した番号が向かいの宿のものであった。フリーダイヤルで連絡したので、一手に引き受けている事務所の手違いである。 　そこの露天風呂に入りたかったので、その旨を伝え、眺望の無い部屋でよければということで泊めてもらえることになった。 　 　サービスでアワビの刺身が付いたのは嬉しかったが、やはり部屋が妙に長細く、小宴会場の雰囲気で寝るときは落ち着かなかった。 　自分で予約するとこんなこともある。旅行会社に頼むのは、面倒でもあるが、そういう心配はないので良いと思う。